CPaaS.io – City Platform as a Service

smart-city-innovation

CPaaS.io(統合化されたオープン・シティ・プラットフォーム・アズ・ア・サービス)は、スマートシティイノベーションの実現を目標に、日本と欧州の共同で実施している研究開発プロジェクトです。この取り組みは、住民や民間企業、行政機関など、都市環境を取り巻く社会や全ての関係者に対して、新たな価値をもたらします。スマートシティイノベーションを実現するために、CPaaS.ioでは、IoTやビッグデータ・アナリティクス、行政が公開するオープンデータやリンクトデータを提供するクラウドサービスの特性・機能を融合したプラットフォームを提供します。

Overview
概要

データは「21世紀の新資源」といわれており、データが未来のスマートシティの原動力になると考えられています。
このような未来を実現するためには、IoTを活用して様々な場所のセンサーから収集したデータや行政が公開するオープンデータ、ソーシャルメディア、第三者から提供されたデータなどの様々なソースから、データを処理、結合、分析・解析することができるプラットフォームが求められます。これにより、リンクトオープンデータとして有益な情報を作り出すだけでなく、新たな形態のサービスを創出し提供することが可能になります。 都市や民間企業は、CPaaS.io上で新しいアプリケーションを構築しサービス提供が可能になるため、 CPaaS.ioはスマートシティイノベーションを推進する上で、付加価値の高いプラットフォームになるといえます。

CPaaS.ioプロジェクトでの主な目標は、地域からグローバルに至るまでの幅広い業務に対応することができ、更にスマートシティにおけるデータ基盤の基礎となるプラットフォームを開発することです。
技術的な課題の中には、データの出所や完全性、品質、機密性の担保、クラウドやエッジ(物理デバイスなど)へのデータ移行に係る移行ポリシーや移行方法などがあげられます。
また、その他の重要な側面として、データのガバナンスやマネジメントに加え、 「MyData」アプローチによる個人が所有するデータの共有やアクセス権限の管理を住民に権限移譲することなどがあげられます。

プラットフォームの開発を通じて、日本や欧州の都市において実施されるイベント管理や公共交通管理、水資源管理、救急医療などの分野で様々な活用事例が展開され、有用性が確認される予定です。
また、技術や実行プロセスの双方の面から、例えば2017冬季アジア札幌大会で得られた実証実験の成果を、2020年の東京オリンピックへ活かすなど、他都市においても容易に展開・応用可能となるような将来構想が策定される予定です。
そして最終的には、 CPaaS.ioプロジェクトで得られた結果が関連する分野における標準化の策定に活用されることで、CPaaS.ioプロジェクトでの成果が普及し、拡大することが期待されます。

Objectives
目標

Point your mouse at the objective descriptions to see how these have been achieved…

objective-1-open-platform

目標1:オープンなソーシャル・シティ・プラットフォームの開発

ここでいう“オープン”とは、オープンデータを意味しており、CPaaS.ioのプラットフォームは、プラットフォーム上で付加価値のあるアプリケーションやサービスを構築、提供することができるよう、関心を持つあらゆる人々が利用することができます。
また、“オープン”とは、オープン・イノベーションをも意味しており、住民やスタートアップ企業、インフラ提供事業者などがセンサーの使用などを通じてデータを収集し、 CPaaS.ioのプラットフォーム上に収集データを容易に集積・統合、公開することが可能になります。
CPaaS.ioのプラットフォームの運用は、都市機能にとって代わるものとなり、オープンでデジタル化された社会や住民、新規ビジネス分野にとってさらに魅力的な都市になるとともに、行政事務やサービスの改善・効率化が図られることが期待できます。

objective-2-deploy-as-a-service

目標2:サービスソリューションとしてのシティ・プラットフォームの利用

クラウドを活用し、多様なサービスや他の実証プラットフォームとの連携を通じて、都市に関する全ての情報が提供可能となるようなオープン・プラットフォームの開発を目指しています。
ユースケースや提供サービス、運用面において求められる要件が異なる多種多様な都市を対象に、プラットフォームを幅広く展開していくには、プラットフォームの基本方針として、アーキテクチャの設計に柔軟性・拡張性を有していることが求められます。
CPaaS.ioのプラットフォームでは、品質のパラメータを使用して、信頼性の欠けるIoTデータに注釈を付けることができるため、アプリケーション自体がデータを使用する際に、データ品質が使用に適しているかの判断を行うことが可能になります。

objective-3-empower-people

目標3:住民へのデータ管理権限の付与

CPaaS.ioが目指す、都市の情報を蓄積・統合するプラットフォームは、行政が公開するオープンデータとIoTデータを紐づけることを想定しているため、住民の情報を保有することとなります。
そのため、プラットフォームは、プライバシーやデータ保護に向けて必要となる全てのセキュリティ対策が求められます。
しかし、そのような情報への全てのアクセスを単に規制してしまうと、個人から社会に至るまで、それらのデータを利用することで得られる将来的なメリットが損なわれてしまいます。
そのため、CPaaS.ioは、より先進的な試みとして、誰がどの個人情報に、どのような状況下でアクセス可能かを管理するための権限を住民に委譲する、「MyData」アプローチを採用しています。

objective-4-validate-use-cases

目標4:プラットフォームのユースケースが公共的価値をもたらすことの実証

CPaaS.ioのプラットフォームは、社会全体や住民、都市への来訪者、行政などに対して、公共的価値をもたらすような様々なユースケースを提供しながら、実証・展開されることになります。
CPaaS.ioのプラットフォームの展開と実証実験は、札幌や横須賀、東京、アムステルダムで行われる予定です。
公共的価値をもたらすユースケースの検証と、都市への適合性の確認が最重要の判断基準である一方で、CPaaS.ioのプラットフォーム自体が、技術面での実現可能性、性能・拡張性、展開・運用面での容易性、移行可能性、堅牢性、様々なステークホルダーに経済価値があるかなど、追加で検証される予定です。

objective-5-blue-prints-for-cities

目標5:他都市へのソリューションの適用・応用に向けた将来構想の策定

CPaaS.ioを日本と欧州の共同プロジェクトとして遂行している理由の一つに、特定の都市で創出された構想やユースケースを、文化の壁や行政・政府の制度の違いを乗り越えて、他都市においても適用・応用することが可能であることを示すことがあげられます。
そのため、CPaaS.ioプロジェクトでは、技術や実行プロセスの双方の面から、他都市への適用・応用を容易に行い、プライバシーやセキュリティの保護に対する包括的なアプローチがとれ、都市が独自にアプリケーションの使用やデータの活用ができるような将来構想を策定していきます。

objective-6-impact

目標6:都市にインパクトをもたらす

CPaaS.ioプロジェクトの最終目標は、このプロジェクトの関係者を超えてインパクトをもたらすことです。
そのため、 CPaaS.ioプロジェクトでの成果は、各都市のステークホルダーから積極的に発信される予定です。
また、行政機関は標準化された仕組みにあわせていくことに重きを置いていることから、今後は、CPaaS.ioプロジェクトが、IoTやリンクトデータ、スマートシティ、電子政府などの関連分野において、業界標準・国際標準となることに重点を置いて、プロジェクトを進めていきます。